2011年4月22日金曜日

「震災を伝える―地域を越えたコミュニケーション」 (5/2 開催)

<終了後の情報、演者のスライドなどについて、最後に追記しています>

大震災から間もなく2か月が過ぎようとしています。
地震、津波、原子力発電所事故。非常に多くのことが次々と起こるなかで、それぞれの立場で、多くの「伝えるべきこと」が生じました。
どういったことがどのように発信されたか、いくつかの例をもとに報告し、被災から復興していくために、これからすべきことについて議論します。

また、決して大きな規模ではないですが、震災後、多くの会議・イベントが中止になった仙台市で、開催し、実際の被災状況を、遠方の方にもご覧頂く機会としたいと思います。

日時: 2011年5月2日(月) 
(12時~外からの参加者に向けた、被災状況見学会: 
      要事前申込<人数限定> f-nagami[at]med.tohoku.ac.jp、まで
4月26日で締め切ります。交通費の実費<2000円程度>は頂きます。)
15時~ 研究会 (18時まで)
 見学会の集合は仙台駅(予定)
会場: 東北大学医学部1号館2F セミナー室
予定演者: 
岡本真 (アカデミック・リソース・ガイド株式会社代表取締役、saveMLAKプロジェクトリーダー)   
「未曾有の震災を前に、なぜ"saveMLAK"なのか-博物館・美術館、図書館、文書館、公民館の救 援を巡って」  震災の翌日に立ちあがった被災図書館の被災情報と救援情報を集約する活動savelibraryは、そ の後、博物館・美術館(M)、 文書館(A)、公民館(K)における同種の流れと合流し、saveMLAKとして活動を続けている。お びただしい人命が失われ、 いまなお危機にさらされている中で、なぜ"saveMLAK"というメッセージを発し、動くのか。その 意味を語り、考えたい
田中幹人 (早稲田大学大学院政治学研究科 ジャーナリズム・コース 准教授
・(社)サイエンス・メディア・センター* リサーチ・マネージャー)
Science Media Centreからの発信

長神風二  東北大学大学院医学系広報室からの発信
在気仙沼メディア関係者(予定) 何を見て、伝えたか

-----以降、5/7追記
 被災状況見学会: 主催者含めて9名参加; 有難うございました。
 研究会: 演者含めて 30名強参加; 有難うございました。
  予定が直前までたたなかった「在気仙沼メディア関係者(予定)」は、読売新聞社気仙沼の中根記者が御参加下さいました。有難うございます。中根記者は、津波の様子を動画で伝えると共に、44時間あまり避難先で孤立状態に陥るなどの状況を、伝えた様子をお話し下さいました。
  当日の模様は、Ustream中継されました。

  (若干編集したものをスライドシェアに)
  田中幹人さんプレゼン  Science Media Centreからの発信
  
  中根さん撮影の動画: 大津波にのみ込まれる瞬間の気仙沼市街 (YouTubeへリンク)



2010年10月29日金曜日

カガクをエガく―サイエンスイラストレーション作品展

サイエンスイラストレーションは、サイエンスの内容・概念を効果的にイラストを用いて表現する手法で、特に北米では専門の大学院課程が存在するなど、確立した分野になっています。北米のサイエンスイラストレーション作品の数々を、展示する作品展を開催すると共に、2010年夏仙台で行われた、日本初のサイエンスイラストレーションサマースクールの制作作品を展示します。
また、オープニングの25日には、サイエンスイラストレーションを紹介するプロジェクト全体と、サマースクールの成果についてのトークセッションも開催します。

イベント名:  カガクをエガく―サイエンスイラストレーション作品展
開催期間: 2010年11月25日(木) 17:00-20:30, 26日(金) 17:00-19:00、27日(土)11時-15時
 *展示会場への入場は無料、登録不要です。
会場: TRUNK Creative Office Sharing (984-8651 仙台市若林区卸町2-15-2 5F)
 *アクセスの御案内(trunk site) お車で御来場の際には、卸町会館隣、サンフェスタの駐車場をご利用頂けます(有料)。


 オープニングトークセッション: サイエンスイラストレーションの世界へ
  ―Art Meets Science vol.2
 日時: 11月25日(木) 18:30-20:30
 登壇予定者: 奈良島知行 (Tane+1, LLC)、長神風二(東北大学)、サマースクール受講生
 参加費: 無料
 定員: 50名
 オープニングトークセッションに御参加頂ける方はこちらからお申し込みください。

主催: 仙台ビジュアルアートxサイエンス パートナーシップ
共催: 仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアム
後援: Tane+1., LLC, University of Toronto, Johns Hopkins University Art as Applied Medicine, 東北大学脳科学グローバルCOE

*本イベントは、仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアム認定プロジェクトとして実施しています。

2010年8月17日火曜日

Art Meets Science-発表要旨(5) 瀬尾拡史さん

実践 medical illustration! ~裁判員裁判を通して~

20098月に行われた全国初の裁判員裁判では、殺害された被害者の傷の状況を説明するために14枚の3DCG画像が証拠と使用されましたが、その画像を全て制作させて頂きました。サイエンスイラストレーションは中途半端な知識・意識では決して出来ません。研究者と同等或いはそれ以上に専門知識を学ぶ必要があります。

今年1月には東京大学医学部公認として初めて、Johns Hopkins大学Department of Art as Applied to Medicineに短期留学生として伺いました。Johns Hopkins大学側としても80年近くに渡る学部の歴史で初めての短期留学生となりました。また2月には、今回の講師であるDavid Mazierski先生がいらっしゃるToronto大学Division of Biomedical Communicationsも1週間見学した他、本場アメリカ・カナダのプロダクションにも多数伺ってきました。

5分間と非常に短い時間ですが、海外での教育現場・実践現場を経験し、日本での実務も経験したことを踏まえ、日本でのサイエンスイラストレーションの魅力や課題について述べさせて頂ければと思います。

(参考URL

http://medical3d.buzzlog.jp/

http://www.youtube.com/user/HirofumiSeo

2010年8月13日金曜日

Art Meets Science発表要旨(4)-大河雅奈さん

大河雅奈さんの発表要旨です。

演題:科学者とイラストレーターが協働するために
概要:
アートの力を用いるとサイエンス・イラストレーションは魅力的になる。科学とアートの力を活かすためには、イラストレーション制作を科学者とイラストレーター双方の専門性を引き出しながら行うことが重要である。では、科学者とイラストレーターはどう協力するのだろうか。発表者はこれまで、イラストレーション制作にコーディネーター、イラストレーター、依頼主という異なる立場で関わり、研究の一環として科学者やイラストレーターと対話してきた。この経験から科学者とイラストレーターが協働する際のメリットと課題が見えてきた。本発表では、皆さんとともにイラストレーターと科学者が協力するメリットと課題について考えたい。

Art Meets Science発表概要(3)-Michael Millerさん

ART, ME and Medicine

 Dr. Michael Miller MA(RCA), D.Phil (Oxon.)

I am an artist and a neurophysiologist and have combined these interests for about twenty years. People assume, when I say this, that I began my career as a neurophysiologist, but it is the other way around.

In fact I began my career as an actor. I joined the National Youth Theatre in Britain when I was sixteen and appeared on stage with Dame Helen Mirren at the Old Vic Theatre in London in a production of Antony and Cleopatra. She was Cleopatra and I carried a spear. But I stopped acting to study English and European Literature as an undergraduate. While largely unemployed as an actor I taught myself to paint and began exhibiting and selling work at about the age of eighteen.

After traveling around a bit and working in Italy and North Africa including two months in the Sahara desert, I joined the Royal College of Art, London, as a postgraduate in the now defunct department of Design Education. While writing a thesis on visualization of functional language structures for Arabic learners I became interested in memory visualization. In particular, I was interested in a book by the great Renaissance scholar, Frances Yates: The Art of Memory. I was also interested, as many artists are, by the anatomical drawings of Leonardo da Vinci.

Da Vinci’s anatomical drawings are not just taken from post mortem specimens: they contain ideas from other artists and scientists. One of his drawings of the human brain, for example, shows the brain ventricles as described by Avicenna, a Persian polymath of the ninth and tenth centuries. However this interest in da Vinci led, by slow steps, to a more general interest in visualization of brain function. And at this point I was lucky to meet the late Edwin Clarke, a neurologist, who had co-written a monumental work on the history of the brain and spinal cord. He agreed to supervise my research, together with the philosopher and mathematician, Rom Harré, and I joined the University Laboratory of Physiology at Oxford. Once at Oxford I realized my research needed experience of brain dissection, and I worked for a while in the Department of Human Anatomy. That is how I became a neurophysiologist.

I became a neurophysiologist because I was an artist, and not the other way around. And my interest remains visualization in neurological medicine. For example, I am now co-writing a paper on the early work of the German neurologist, Korbinian Brodmann, and its current relevance to location of fronto-temporal lobar degeneration.

My talk will last five minutes and include projection of between 5-8 PDF visual files.

Art Meets Science-発表概要(2) 菅野康太さん

菅野康太さんの概要です。

菅野康太
東京大学大学院博士課程2年

タイトル:学問と世界を繋ぎまくる『SYNAPSE Vol. 1 -ACADEMIC GROOVE-』
 下記のSYNAPSE projectの一環として作成したフリーペーパー『SYNAPSE』のご紹介(と出来れば配布)をします。「パターン・カタチ・リズム」をテーマに科学を中心とした学問を編集して魅せよう!という冊子です。

<SYNAPSE projectとは?>サイエンスの魅力をより多くの人へ届ける「サイエンス・コミュニケーション」を目的とし、社会、環境、アート、デザイン、建築、メディアなど専門領域の枠組みを飛び越えたイベントやメディア発信を編集・企画・運営するプロジェクト。異分野との交流を通じて、一見閉鎖的な空間であるアカデミズムを編集し、新たな魅力を引き出していく。単なる学術紹介ではなく、事物や世界の本質に迫る「Sense of Wonder」をテーマに、さまざまなコラボレーションや自主企画を展開する。 <展開>*メディア制作 東大広報部との連携により「Academic Groove」の理念に基づく小冊子を制作・発行。2010 年 8 月、オープンキャンパス配布用の小冊子『SYNAPSE』 vol. 1 を発行。研究者と異分野で活躍する人との対談やコラボレーションを企画するほか、科学の実験映像や専門知識を先鋭的なデザインでビジュアライズし、学問の面白さをより深く多くの人に伝えることを目指す。 (監修:東京大学広報部 清水修/企画編集:東京大学大学院 菅野康太・飯島和樹・住田朋久・塚田有那/デザイン:+81Creatives)
※「Academic Groove」とは?
「学問はワクワクするほどおもしろい」をコンセプトに、一見閉鎖的な学術の世界を先鋭的なビジュアル・デザインと斬新な編集企画から紐解いた東京大学出版会発行の書籍(2008年発行)のタイトルであり、同様のコンセプトに基づく活動体の名称でもある。東大広報部の清水修を主軸に展開。

Art Meets Science-発表概要(1) 田中幹人さん

以下、発表者の一人、田中幹人さんの概要です。

田中幹人
Mikihito TANAKA, Ph.D.
Graduate School of Journalism, Waseda University
早稲田大学大学院政治学研究科 ジャーナリズム・コース 准教授

演題:研究者とアーティストをつなぐデータベース構築の試み
概要:
 海外調査、そして私たちが行った国内調査の結果からは、研究者もメディア関係者も、「科学技術情報を適切に表現・説明したビジュアル情報の不足」を、現在の科学コミュニケーションにおける問題点として強く意識していることが明らかになっています。
 現在、私たちはJST-RISTEX研究開発プロジェクトとして、研究者とメディアの橋渡しを行う「サイエンス・メディア・センター(SMC)」という組織の構築に取り組んでいます(一般社団法人として8月に設立予定)。SMCの事業内容は多岐にわたりますが、上記の調査結果を踏まえ、その事業の一つとして「アーティストと科学者をつなぐ」ことをかかげています。
 より具体的には、サイエンス・アーティストの非公開データベースを構築し、研究者コミュニティやメディアの求めに応じて、SMCスタッフがアーティストの紹介を行っていく予定です。